重度の認知症で意思の疎通ができないAさん、テレビに津波や被災者の様子が映った途端

ボケても人の心が失われる訳ではないんだと。

不思議な気持ちになるよね。

その方、最後にお土産をおいていかれたのね

特養で介護の仕事をしてるんだけど

以前そこに、重度の認知症で意思の疎通ができないAさんという女性入所者がいた

高齢で体の衰えも激しいことから、ほとんど寝たきりで

起きてる時もただ車椅子に乗ってじーっとしてた。

あの東北大震災が起きた時、うちは首都圏なので大きな被害はなかったけど

入所者や職員も皆、結構動揺した。でも、Aさんは相変わらず無表情でじーっと固まってた。

ところが、テレビに津波や被災者の様子が映ったとたん

突然Aさんの能面のような顔が変わって

テレビに向かって手を伸ばしながら、うーうーと何か叫び出した

そんで、泣きだした。

よくよく聞いたら、「助けなきゃ、助けなきゃ」と言っていた。

Aさんはもう何も考えられないと思っていたのに

そうじゃなかったのか、しかも他人を心配する気持ちがちゃんと残っていたのか

なんか人間ってすごいと、衝撃を受けた体験だった

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93歳の方でした。

ご自分のことはほとんど語らなかったけど

面会にいらした方のお話では

いろいろな苦労をされたらしい

半年後ぐらいに、眠るように安らかに亡くなったよ

(うちの施設は看取りをしてるんで、最後までお世話をすることができた)

当時私は介護の仕事を辞めようと思っていたんだけど

この時のことがきっかけで、なんか意欲を取り戻した

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