もしも過去の自分に声を掛けられるなら。あの時は辛かった、でも振り返って今は、、、と思える場面は幾度もあります。
あの時の俺へ。過去の自分へ伝えた言葉。
お前さ、
今、原因不明のけいれん発作に悩んでるだろ、誰にも相談せずにさ。
けいれんの時の顔が「変な顔」とか
もっとひどい言葉で罵られていじめられてるだろ。
病気といじめで悩んで、
この日もかなりいじめられて帰ってきたんだよな。
それで、包丁持ち出して手首切ろうとしてるだろ。
ホント辞めろ、頼むから。
お前度胸ないしさ、軽傷で終わるけど母さん泣かせるんだから。さらに父さんに殴られるから。
病気に効く薬、ちゃんとあるからな。いろんな病院行って2年後にそれ飲んだとき感動するよ。
お前、街中でいきなり大声でよっしゃーとか言ってガッツポーズする。でも恥ずかしいからやめておけ。
それでお前は大学入学の頃、
化学を勉強して薬を作るのを一生の仕事にしようと思うわけだ。
お前の病気は完治しないんだけどさ、
でもお陰で学んだことがたくさんある。
死んじまったらなんにもできねぇんだ。
お前なんかよりきつい立場にいる奴いっぱいいるよ。
でも、お前の手足は薬飲んでりゃまともに動くから!
お前の切ろうとしてるその左手で、
俺は新しい薬作ろうとしてんだ。
何か新しい薬作って誰かをよっしゃーって叫ばせてやろうぜ!
街中でガッツポーズとらせてやれ!ついでに恥ずかしい思いさせてやれ!
いいか、包丁は持ち出すんじゃない、
それはお前の手首切るための道具じゃない。
その包丁で母さんに明日の朝飯と弁当作ってもらえ、いいな!