相性。破れ鍋に綴じ蓋。
夫婦喧嘩の絶えない家で、ある日私は皮肉をこめて聞いた。
夫婦喧嘩の絶えない家だった。
父の無神経さに、母が怒り、
父は怒られた事は次からしないようにするものの、
母の怒りの原因を理解してないように思えた。
母「なんで5本も大根を買うてきたんや!」
父「安かったから」
母「こんなに誰が食べるん?」
父「ああ、ごめん俺が食べるわ」
母「そういう話じゃない!」
次の日
母「なんでウチワをたくさん貰ってきたん」
父「配ってたから」
母「こんなに何に使うん?あんた観音様にでもなるんか?」
父「ごめん、確かに」 ←後で聞いたらウチワを配ってる人が不憫で貰ってきたらしい。
母「昨日言うたやろ!」
父「言われてないと思う」 ←父は大根は買わなかったからいいと思ったらしい。
母「~~~」
こういった事が日常茶飯事にあり、
父は東京の生まれで、母は大阪の生まれで、
地域性も少し出ていたのかもしれない。
私は、母の気持ちが良く分かった。
父は何につけても大雑把な人だった。
ある日私は皮肉をこめて、父に聞いた。
「お母さんのどこが好きなの?」
父が答えた言葉にびっくりした。
「全部かなあ。
◯◯ちゃん(私)から見たら、
凄い厳しかったりヒスなお母さんかもしれないけれど、
俺には全部必要な事なんだと思う」
あんなに怒られても、父は母の事が好きだった。
おまけに、「大丈夫、ケンカしてても絶対離婚しないから!」
と根拠の無い惚気まで聞かされた。
意を決して母にも聞いた「お父さんとなんで結婚したの」
母「顔やな。あと100年待ってくれって言われたから」
私「???」
母「昔、貴方は私の事を分かってくれません。別れて下さいって言ったら、
『100年かけてでも□□ちゃん(母)の事を理解するから、もう少し待って下さい』って、アホやろw
後何年待てばええんやろなw」
言われた時は分からなかったけれど、今は少しだけ分かる。
ずーっと好きです。って事だ。
それから少しずつ2人のケンカの見方が変わって、
母はただ怒りっぽいだけで、
父は受け流してるだけの様に感じられた。
台風で実家に帰ったら、
母「大根安かったから5本買ってきてな、何に使おう思って、
毎日大根料理出してたんだけれど、
△△くん(父)大根好きで美味しい美味しい言うて食べてて、安心したわw
大根好きなんて結婚して30年初めて知ったわ」
なんて話をされて、
久しぶりに結婚したいと思った。
関西弁がおかしいのは、私が東京出身だからですw