藤崎マーケット・トキさんとファンの話がスルスル読み入ってしまった
文章うまいなぁ…さすが芸人さん!
リズムネタに気をつけろ!作るな!ダメ、ゼッタイ!藤崎マーケット・トキ(@fujisakitoki)さんとファンの長編話!最後まで読んじゃった!【関連リンク: Instagram 】
【ファンの御方の話】
ファンの方と接する機会が芸人には多い気がする。
それには「出待ち」というものが頻々あることからも、劇場付近で声をかけられることは他の芸人には茶飯事で、ファン僅少で知られる私でさえも、そんな経験が少なからずあったりする。
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) August 2, 2024
差し入れは必ず「お米3kg」と決めてる女性ファンが居た。30代前半の黒髪の女性。
ビニール袋に入れた米袋を重そうに引っ提げ、いつもそれを持って楽屋裏で待機している。
舞台終わりの私にズルズルと擦り寄り、お疲れ様でした、とそれを私に手渡してくる。
私は礼を言い、それを肩に担いで持って帰る。
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) August 2, 2024
彼女はなぜ差し入れを「米」に決めてしまったのか。
確かに米は嬉しい。おそらく弥生時代からハズした事のない最高の差し入れである。
お陰で米を買わずに済んで、有難い事この上ないが、東京行きの新大阪駅の改札前で、これを貰った時は、流石に泣きそうになった。
新幹線のホームで、
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) August 2, 2024
米袋を担ぎながらキヨスクで駅弁を買った人間は、私が初めてではないだろうか。店員さんも驚いていた。
毎度おばあちゃんに電話を繋ぐ女性ファンも居た。
見た目はごく普通のOLのような風貌の方であるが、私に声をかけるその二言目には必ず「私のおばあちゃんがトキさんの大ファンなんです。
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) August 2, 2024
電話繋ぐんでおばあちゃんと話してもらっていいですか?」と
携帯電話を渡してこられ、渋々見ず知らずの婆さんと通話する成り行きとなる。
電話口の婆さんに「藤崎マーケットのトキです。おばあちゃんいつも応援してくれてありがとうね」と告げるも、毎度ピンと来ていない様子で「誰やぁ?ああぁ?」
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) August 2, 2024
とケンカ腰で誰何される羽目となり「僕です。ラララライの右です。たまにテレビに出る者です」と弁明するも最終的には「○○に電話かわれ」と、携帯電話を取り上げられる始末となる。
婆さんは本当に私のファンなのだろうか。
むしろ嫌いではなかろうか。
一度テレビ電話を繋ぎ
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) August 2, 2024
顔を見ながら喋ったことがあったが、それでも誰かわからず「誰やアンタは、ああぁ?」と
凄まれたことからも、お婆がファンではないのは確定した。
何故、お姉さんは私とお婆を繋ごうとしてくるのか、真意は定かでない。
私を見かけるたびに「ジャルジャルの福徳さんって今何してますか?」と
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) August 2, 2024
聞いてくる女史も居た。20代前半のボブヘアの女史。
なぜか私を見かけるたびに「福徳さんは今どこにいますか?」と居場所を訊ねてくる。
一度私が芸人5人ほどで集団帰宅中も、わざわざ他の芸人たちを押し除け、私の前に立ちはだかり「トキさん、福徳さんって今どこにいますか?」と聞いてくる。
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) August 2, 2024
なぜ私なのだ?あなたが思うほど、私と福徳さんは固い絆で結ばれているわけではない。
福徳さんはそもそも東京に行ってしまわれた。
在阪の私に聞くんじゃない。
「お疲れ様です。トキさん、福徳さんって楽屋居ますか?」
「えっ、いや、知りません」
「どこに居ますか?」
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) August 2, 2024
「あっ、ちょっと分からないですね」
「そうですか、ありがとうございます」
宵闇に消えていく。
そしてまた数日後。
物陰から山賊のように飛び出し、私に向かい
「トキさん福徳さんどこか行きました?」
「知りません」
「楽屋に居ました?」
「僕には分からないんです」
「そうですか。ではまた」
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) August 2, 2024
これが一年半くらい続いた。
3ヶ月目を過ぎた頃には、私の方から彼女を見かけるたびに「今日も知らんからね」と報告するようにもなった。
その他にも、私に毎度自転車のパンフレットを渡す女性や、私の名前を何度も訂正すれど田崎と言い続ける男性、無言でネコの絵を描かせるオバちゃんなど多岐に渡る
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) August 2, 2024
しかしそれらの御方は等しくも、ある一定の期間を終えると、パタッと姿を消してしまう。
あの方は元気だろうか、調子を崩されていないだろうか、などと思うことが度々ある。
漫才劇場の楽屋出口のガラス戸を、力任せに押し開ける。
以前に待たれていた、その往来には嘗ての御方の姿はなく、
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) August 2, 2024
今は若手芸人達のファンだろうか、新参の女史たちが、嬉々として彼らの登場を望んでいる。
時代が変われど、また時間があれば観に来ていただきたいと願うものである。
独りの女史が私に向かってやってくる。
「マユリカ阪本さんにこの手紙渡してもらえませんか?」
また新しいのがやってきた。
— 藤崎マーケット・トキ (@fujisakitoki) August 2, 2024
全部読みました!なんかオムニバスドラマみたいな話ですね!
それもトキさんの面白さや人柄からくるものですね^_^
— しょもも (@shomomo2024) August 3, 2024
とても、素敵な人だ。
ひとりひとりへの目に見えない「何か」が伝わってくるよう☺️ https://t.co/rxNKwV4nrZ
— ボキチ郎 (@panapana171) August 3, 2024
読ませるなあ。良いとも悪いとも言わないところも良い。 https://t.co/3dV90RTQ35
— フラットすいか (@Suica_Affi) August 3, 2024
トキさんの文章は本当に面白い
本当に好きなら迷惑をかけない方法で応援するはずなのに、なんだかそれぞれが自己中心的で
それに付き合うのは大変だろうなとは思いつつ…
その一つ一つがいい思い出になってるなら、物陰に隠れてないで臆せず応援していこうかな!と思えた https://t.co/CVIlp3xImF
— チャンユカ366個断捨離中! (@chanyuka191128) August 2, 2024
小学生の頃みんなラララライ体操してたけど、約20年の月日を経てこのような形であの藤崎マーケットさんの面白いポストが読める時代が来るとは夢にも思わなかったよな https://t.co/f7pDVhXA6I
— 朝も夜もセラピストゆる (@ukaaa0325) August 2, 2024
一つの小説を読んだような感じがしました。みなさんもお時間ありましたら是非ご一読を。 https://t.co/Fmj6tbTYS1
— エリンギちゃん❄ (@fjhrce) August 2, 2024