「最近のスポーツ界でね、私はこれが一番残念だと思いましたよ。32歳の監督で若いから非常に苦労したと思いますがね、絶対に投げさせるべきなんですよ。前の日にね129投げてますがね、だいたい予選で4回しか投げてないんですよ。合計430、450ぐらいしか投げてないのよ。昨年ね、吉田輝星が800球くらい投げてるんですよ、予選からずっと一人で。“宝”とか“宝石”って誰が決めるの？これぐらいの選手でね、ものすごい素質があります。ダメになった選手はいくらでもいるんだから。監督と佐々木くんのチームじゃないから。ナインはどうしますの？一緒に戦っているナインは。1年生から3年生まで必死に練習してね、やっぱり甲子園は夢なんですよ。私たちの時代はね、夢が欲しくてね。小雨の路地で泣いたことがあるんですよ。2年生、1年生も見てるんだから。そして最後に言いたいのは先発させてナインに『早く点を取ってやれよ、3点でも5点でも』。そしたら代えてやることもできるんだから。これは私は先発させなかったのは間違いだったと思いますよ。けがを怖がったんじゃ、スポーツやめたほうがいいよ。みんな宿命なんですから。

彼はね、アメリカの独立リーグにいたんですよ、監督は。だからアメリカ流に考えてるんですよ。アメリカは消耗品だと思ってるから。東洋人は投げて投げて力をつける。タイプが全然違うんですよ。

将来を考えたら投げさせたほうがいいに決まってるじゃない。苦しいときの投球を体で覚えてね、それから大成したピッチャーはいくらでもいるんだから。楽させちゃダメですよ。スポーツ選手は。