【人の失敗を、そっと消せる人になりたいな】この詩を読むと心が洗われる
今回ピックアップさせて頂いた詩は、戦後を代表する詩人だと言われていた、まど・みちおさんの「消しゴム」です。
消しゴムのように、「自分の身を削って他人を助ける」ということ、正しい事や美しい事を残していくという消しゴムの役割を再度考えた時、なんだかすごく考えさせられるものがありました。
消しゴム / まど・みちお
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自分が 書きちがえたのでもないが いそいそと けす
自分が書いた ウソでもないが いそいそと けす
自分がよごした よごれでもないが いそいそと けす
そして けすたびにけっきょく
自分がちびていって きえて なくなってしまう
いそいそと いそいそと
正しいと 思ったことだけを
ほんとうと 思ったことだけを
美しいと 思ったことだけを
自分のかわりのように のこしておいて
誰だって失敗したり うっかりしたりする
そんな人の失敗を そっと消せる人になりたいな