85歳のおばあちゃんが何十年も続けた農業を引退した。
いろいろ話し合った結果、規模を小さくして母が引き継ぐことになったよ。
祖母は体のいろいろなところが少しずつ悪くなっても、
晴れの日も雨の日も畑に行っていた。
祖父とふたりで守っていた広い畑、ひとりになってからも大事に大事にしてた。
今日久しぶりに実家に帰って、本当にゆっくりとしか歩けなくなった祖母と話した。
お疲れ様、おばあちゃんの作る野菜大好きだったけど、
これからはゆっくりできるね。と私が言うと、祖母は、
「畑、広かったでしょう。野菜たくさんあったでしょう。
全部あんたのためにあったのよ。
あんたがこーんなに小さいころ、畑のトマトかじって、
おいしいって笑ってから30年ね、
おじいちゃんもおばあちゃんもあんたに食べさせたくって野菜作ったの。
いちごって手間のかかるものなんだけどね、おじいちゃん毎年植えたでしょう。
あんたに食べさせるんだ、あんたに食べさせるんだっていつも言ってた。
おいしかったならよかったわ。」
それを聞いて泣いてしまったよ。
実家は千葉の中でも多分いちばん田舎の方なんだけど、
私が東京に近い高校に通うようになった時、なんだか同級生がみんなおしゃれで
農家の娘なんてダサいなって思ってたのを本気で恥じた。
これからはちょいちょい帰って祖母孝行するよ。